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「クラブ運営」を考え学ぶ、関東の仲間大集合!!


世代を超えて誰もがいつでも参加できる総合型地域スポーツクラブ。質量ともにより充実させ、安定的に運営させるためには何が必要でどうすべきか―。そのようなテーマで学び合う「関東ブロッククラブネットワークアクション2015」(主催ː公益財団法人日本体育協会 総合型地域スポーツクラブ全国協議会 後援:文部科学省)が、関東1都7県(他に新潟・岡山・宮崎からも参加)の仲間達を集め、11月28・29日の両日、天台のスポーツ科学センターで開かれました。10年以上の経験をもつクラブから設立準備段階のクラブまで、互いの垣根を越えて、クラブ運営の苦楽を語り合い真剣な討議を通じて、素晴らしい交流も実現した会議になりました。

【1日目】

澄み切った初冬の青空の下、今回会議開催担当の千葉県広域スポーツセンターと千葉県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会(以下:県連協)の運営委員が準備した4階アリーナ会場に、関東のお仲間が続々集合、開会式前のアトラクション開始です。幕張西スポーツクラブ(M@WS)の子供達40人が演じるヒップホップダンスです。懸命にとんだりはねたりのキッズダンスには「可愛い~」「上手だねぇ」と参加の皆さんスマホで撮影したり、踊りに合わせて手拍子を送ったり、会議前の素敵なアトラクションでした。

ました。

開会式は県連協・後藤理事の司会で始まり、田淵・県連協会長の「開会宣言」、桑田・関東ブロッククラブネットワークアクション実行委員会委員長の「主催者挨拶」が続き、川崎・千葉県教育庁体育課副課長から県外から参加の皆さんへ「歓迎の挨拶」がありました。県体育協会の実行委員の紹介を終えると、会議本番開始です。

谷藤千香・千葉大学教育学部准教授が「総合型地域スポーツクラブの可能性」のテーマで講演されました。日頃、県連協でお世話になっている谷藤先生は、「会場が明るいとあがっちゃうから照明おとしてください」とユーモア一発でお話スタートです。「いつも皆さんがクラブ運営に工夫を重ねながら、それを自覚されていないかも知れません。それを思い出して頂くお話をします」と、プロジェクターを使いながらの説明です。2001年制定の「スポーツ振興基本計画」から解きほぐし、計画自体が生涯スポーツ振興から、現在は地域コミュニティの中心に位置づける組織的性格変化が起きている。それだけに地域スポーツクラブの重要性が増していることを強調されました。クラブ数・会員数の減少が見られても、そこでひるむことなく①会員確保②財源確保③指導者確保の課題を、例えば20年後を見越して長期的視点に立ち検討することが大切と述べ、それには会員ひとりひとりが主体性を持ってもらう、例えば人、物、などそれぞれが〝持ち寄ったクラブ経営〟も検討する必要があります、と現在もバドミントン選手の谷藤先生はご自分の具体的経験などを紹介しながらの分かりやすい講演で〝なるほどなぁ〟と頷く参加者の皆さんでした。

講演を受けて、午後2時45分から1グループ約10人、10グループで「グループワーク」が3階研修室で始まりました。共通テーマは「クラブの経営を考える」です。初日だけに自己紹介、自分のクラブの状況説明と他クラブに聞きたいことなどが出され、男女、年代、経験年数を超え、短時間に笑い声さえ聞こえるのは、さすがスポーツマン同士です。

16時30分過ぎに1日目のグループワークは終了し、千葉市内の目抜き通りにあるホテルに移動、「情報交換会」です。8卓のテーブルに抽選で席指定された参加者は、硬さもほぐれ、適度にアルコールを入れながら、両隣の方達と〝くだけた情報交換〟となりました。

【2日目】

「おはようございます」―。9時前には集合の皆さん、3階で県連協の女性理事が開く〝飲み物コーナー〟で、「飲みたかった」「助かるわぁ~」と言いながら、コーヒーカップを手に打ち解けた会話が進みます。

9時30分「事例発表」が始まりました。まず田淵・千葉県連会長から「千葉県連絡協議会の取組み」についての発表です。①準備会設立以後平成19年の正式発足までの経過②あくまで〝開かれ〟〝自主的〟な組織理念③「スポネット」「クラブサミット」「ミニスポーツ交流大会」などの取組み④テレビ、地域の新聞が連協の活動内容を理解してくれ、放映や掲載された実績が詳細に説明されました。

事例発表2番目は小野・千葉県連協副会長、中富ふれすぽクラブ会長から「袖ケ浦市連絡協議会の取組み」です。平成21年に設立された同協議会は、現在5クラブで構成されています。小さなサークル的活動からスタートし、既存の一般スポーツクラブとも連携しながら活動を進めてきた経緯、平成23~32年を見据えた「地域・子ども・市民」を重視する市の基本目標に袖ケ浦市連絡協議会が重要な一環になっていることも述べられました。

事例発表3番目は小林・千葉県連協理事、NPO法人おおたかスポーツコミュニティ流山クラブマネジャーから「同クラブの取組み」の報告です。つくばエクスプレスという新線開通により都心へのアクセスが極めて近くなり、子育て世代の急増が顕著な流山市は、行政と連携しながら活動を進めていて、各種スポーツ教室、イベントなど取り組みは多彩です。一方で、財政運営が厳しいことも率直に指摘し、どのように経費節減をするかが課題との報告には、多くの参加者が賛意の様子でした。

事例発表の最後は、今回の実行委員会委員長の桑田さんが、おおたスポーツネット、NPO法人ピポットフット代表として「おおたスポーツ健康フェスタ」について発表されました。

同フェスタには、吉本興業の芸人さんも参加されるとのことで、〝企業と組んで事業的にクラブ運営を図る〟新しい視点が指摘されました。

11時前、再び全員が3階の研修室で2日目の「グループワーク」開始、1時間15分の時間をフル活用して、すべてのグループが熱心な論議を展開しました。

12時10分、いよいよ昨日から続いた会議の掉尾、「グループワーク発表」です。発表された10人の仲間のお名前と、主な発言、意見を記します。

岡山県=石井さん 埼玉県=市村さん 群馬県=井出さん 山梨県=望月さん

栃木県=渡邉さん 埼玉県=田口さん 千葉県=伊藤さん 埼玉県=府川さん

埼玉県=志賀さん 埼玉県=中村さん

・後継者づくりをどうするか、そのため地域の団体などとどう連携していくか。

・助成金、クラブ財政確立の話が中心。

・法人化のメリット、デメリット。

・場所の確保を、どう行政と関わりながら実現するか。

・「事例発表」では難しいだろうが「失敗話」も聞きたい。

・指導者への謝金と〝ボランティア運営〟への転換。

・女性の視点を重視したクラブ運営。

・会員増は〝口コミ〟が1番か?

・県連協の設立は大切。クラブマネジャーの仕事は多すぎる。事務などの仕事を県連協で学びあったらどうか。

・メディアの有効活用と広報活動の重要さ。

熱心な討議の様子が如実に思われる、「グループワーク発表」でした。「まとめ」として、桑田実行委員長は、「2日間の熱心な論議に感謝します。何かひとつでも、今回の内容が財産になればと思います。今後もネットワークアクションを大切にしてください」と結びました。閉会に当たり次回の担当開催県を代表し、埼玉県の栗田さんから「来年は喜んでお迎えしたい」との趣旨の挨拶があり、2日間にわたる会議を終わりました。

「グループワーク」「情報交換会」で文字通り〝仲間〟になり、「またよろしく」「連絡します」等、笑顔々々で再会を期す挨拶がそこここで見られ、今回の会議の成功を象徴していました。 (幕張西スポーツクラブ・渡邉 記)


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